第3回インタビュー①「命を守る」つきつめて考えた私のMISSON - ”れいんぼ〜かふぇ” すずりえさん -(全2回)

藤沢市長後の居場所カフェ「れいんぼ〜かふぇ」を主宰している、レインボースマイル湘南のすずりえさんにインタビューしました。(この記事は3分で読めます)

[インタビュー内容] 
1.子育てに関する活動での団体または個人におけるMissonは何ですか。
2.身の回りの子育て(0歳~10歳くらいまで)に関して気になっていることは、どのようなことですか。
3.耳に多く入ってくる子育て中の悩みは何ですか。
4.男性にどのように育児に協力してもらえば女性の負担が減ると考えますか。
5.どのような社会になれば出産や子育てに積極的になれると思いますか。


プロフィール

すずきりえ さん
レインボースマイル湘南

れいんぼ〜かふぇ(居場所カフェ@藤沢市長後)運営
いじめ防止プログラムファシリテーター
放課後等デイサービス指導員
不登校訪問専門員
思春期保健相談士
子育て相談・講座
アロママッサージ


質問1 子育てに関する活動での団体または個人におけるMissonは何ですか。

鈴木さん
ひとことで言うと、「命を守ること」
大きなミッションになりますが、でも突き詰めるとそこかなって思います。

去年は10代と女性の自死が増えていて、特に高校生が多いということでした。
私の息子が中3と高3なので、“生きるのが嫌”になってしまっている同年代の子がたくさんいる事実、本当に命を自分で終わらせてしまう状況にあるということが、ひとりの母親としてすごく辛いです。

あとは、産後ウツもありますよね。
私自身はあまり感じなかったのですが、新米ママの頃、大人と話せないことに多少のストレスはありました。
子どもは欲しくて妊娠したけれど、産後ウツになる、その辛さもちょっとわかるかな。

とにかくあなたは1人じゃないよ、
あなたはあなたのままで充分素敵だよって、メッセージを伝えたいです。

 

質問2 身の回りの子育て(0歳~10歳くらいまで)に関して気になっていることは、どのようなことですか。

鈴木さん
1番は、誰しも親になるとはどういうことか、を知らずに親になります。
子どもたちから見れば、この(悪い)状況になったのは親の責任だって思うかもしれないけど、親だってしょうがない、こうなるしかなかったみたいなところもあると思います。

その負の連鎖を止めるには、フィンランドのネウボラのような、親になるとわかった時から継続的にサポートしてくれる。そういう社会の仕組みがすごく必要だと思っています。

あと、せかままcafeというオンライン子育て支援センターのようなものがあるのですが、そこで助産師さんの知り合いが増えて、マイ助産師制度という仕組みを作ろうとしていることを知りました。

出産前から出産後まで継続して、何かあったらすぐ聞ける。何かなくてもすぐ話ができる。
そういう存在がみんなにいるってことがすごく大事だなと感じています。

そして、産んでも産まなくても、女性、母親が責任を負ってしまう、もしくは本人が責任を感じてしまう、そんな風潮をなくしたいです。

子どもの自己肯定感が最近下がっているから自己肯定感を育てましょう、というような話がありますが、子どもは自己肯定感をそもそも持っているはずですよね。

周りの不適切な関わりで、その自己肯定感をどんどん下げてしまっている現状があると思います。

その背景には、大人の自己肯定感の低さが大きな要因としてあるのですが、そうした継続的なサポートがあることで、それも高くしていけるのではないかと思います。

本来持っている良さをみんなで「素敵だね」というふうに、たくさん声がかけあえるような、そんな地域を作りたいなと思います。

五十嵐
まだインタビューは、3回しかやってないのですが、皆さん全く同じことを言っています。

鈴木さん
私も前の2回を拝見させて頂いて、みんな想いは一緒だなと思いました。

五十嵐
みんな思っていることは 一緒だから、これはまとまればなんか変わるのではないかと思っています。

このインタビューは、おそらくみんな同じだろうというある程度の仮説を立てて行っていて、多くの意見が集まった後に、市政や県政に提言することも考えているので、似た様な意見が集まれば集まるほど、まとまった意見がこうあるんですよって伝えられますよね。

鈴木さん
本当に同じですよね。みんな心配をしています。

気づいている人はいっぱいいるけれど、自分の力は小さいと思って、動けていない人がたくさんいると感じています。実際私が活動(地域の居場所運営)を始めたところ、「自分も地域や社会に対して色々と思っていたけれど、動き出すことができなかった」という方たちからの反応がすごく多くて、「何か手伝いたい」と私の話を聞きに来てくれたりします。

そういう意味でも、やったことに意味があったなということは感じています。
一人では小さい力かもしれないけど、みんなでやればすごく、大きなこともできそうな気がしてきます。

*鈴木さんの運営する居場所カフェ れいんぼ〜かふぇ

 

質問3 耳により多く入ってくる子育て中の悩みは何ですか。

鈴木さん
ここのところ続いているのが、不登校関係の相談が多いですね。

去年コロナ禍に入る直前に中学校の校長先生と話をした時に、お子さんがあまり登校できていない保護者から「同じ学校内の同じような立場の人との情報交換をしたい」という申し出があったと伺いました。

学校が取り持ってもいいのだけど、学校に対しての思いもきっとあるだろう、と配慮をした学校側から、私がちょうどP T Aの本部役員をしていたので、P T Aの仕切りでやりませんか?とお声がけをいただいて、 準備を進めている間に、コロナの影響で集まれなくなってしまいました。

それが、やっと先日、集まりの第1回目を開催する事が出来ました。

集まった皆さんは「参加することにすごく迷ったけど、同じ学区で同じ思いをしている人と話すことは絶対意味があると思ったから勇気を振り絞って来ました。」とおっしゃっていました。

この中学校は藤沢の北部にあり、市役所や市民会館などで開催されるそういった座談会などには、お子さんの体調の心配などもあり、ちょっと参加が難しいようです。
「家から自転車で行ける範囲で座談会があったので来られました。」という声もありました。

「家ではどう過ごしている?」

「進路はどう考えている?」

「学校との関係はどう?」

など、ざっくばらんな話ができていました。
今日は来られなかったけれど、こういった機会を必要としている人がいっぱい居るだろうから、その人たちにも是非来て欲しいという意見もありました。次の案内を作る時に、学期に1回ぐらいやりましょうかと話したところ、毎月でもいいですとおっしゃる方もいらっしゃいました。

誰かと喋りたいですよね。おうちでお母さんたちも頑張っているから、吐き出す場は必要だよねということになり、3月も開催することになりました。

個人的には、自粛期間に入って時間ができたので何か学ぼうと思い、不登校について学びました。認定資格ではあるのですが、不登校訪問専門員という資格を取りました。

これらの経緯もあって不登校相談を始めたところ、ちらほらと電話や、ラインなどが入ってくるようになりました。

カウンセラーではないので、まず傾聴して、あとはどこに課題があるのかを一緒に考えます。
親子関係なのか、体調なのか、学校での人間関係なのか。

一緒に考えて、学校とつなげる、行政とつなげる、こういう病院が良いって聞いていますよとお伝えしたり、この人のメルマガが参考になると思いますよなど、その人に必要な情報をお伝えしています。

人と支援の架け橋みたいな役割が大きいのかなと思っています。

五十嵐
でも、それが1番必要とされているのですよね。

鈴木さん
お母さんたちもいっぱい調べて、あちこち病院行ったり、あちこちで相談したりしています。
でも、そういうのをちょっと休憩してもいいかもしれませんね、といった話をしたりもします。

調べ疲れみたいなことがあると、そのこと自体が子どもを追い詰めてしまうこともあります。
話を聞いてみると、最初の半年は親も子も苦しい時期で、親は次から次に、こうしたら、ああしたらという風になってしまうようです。

でも子どもは、とにかく今は放っておいてほしい、という気持ちのこともあるようです。

自分でも自分の事がよくわかんないし、っていう親子のズレがあるような気がするので、「だいたい他のうちも半年ぐらいは辛かったって言っています。」とお話しすると、ちょっとホッとして、半年ぐらいは腹を据えて待ってみるか、みたいに感じてもらえたらいいのかなと思っています。

また、そういうところから親子関係だったり、夫婦関係だったり、お母さんはこうした方がいいと思うけど、お父さんが学校いけいけって言っている状況がみえてきたりします。

他にも、お母さんは発達凸凹が気になるけれど、「いや、男の子なんてこんなもんだろ」とお父さんが取り合ってくれないとか、そういう夫婦関係の話もあります。

その相談者自身の親との関係の話に発展したり、ネットやゲーム、スマホの話などもあります。日頃、発達支援やいじめ防止の活動をしているので、友だちとのトラブルとか先生との関係とか、っていうあたりの話を伺うことも多いです。

五十嵐
けっこう専門家の分野ぐらいまでお話聞いているのですね。

鈴木さん
そうですね。割と色々、話は聞きます。
“つなげる”ことが私の役目なのだろうなって思っています。その専門家に繋げる、支援につなげる。

五十嵐
多分その立場の人が本当は1番重要な人で、結構専門家ってなると構えちゃうし、しかも答えを求めちゃうことで、ちぐはぐになることがありますよね。
りえさんみたいな立ち位置の人が1番ママたちは相談しやすいのではないかなと思います。

鈴木さん
実は、そういった人脈やポテンシャルを持っている人はすごくたくさんいるので、そういう人たちを上手に地域の資源として活用できたらいいなと思いますよね。
完全ボランティアではなかなか成り立たないところだとは思いますが。

五十嵐
今はボランティアですか?助成金を取っているのですか?

鈴木さん
不登校の相談は、1時間単位で料金を設定していて、1回目は無料でお話を伺い、2回目以降の相談からは有料にしています。

相談料を頂くと相手も期待すると思うので、話を聞いてるだけだった、ということにはならないように、1回目に私のスタンスをお伝えしています。

人によってはニーズが違ったりするかもしれませんので、1回目は無料にしています。

アロママッサージを始めたのも相談にのりたいという思いから始めました。
子育て相談受付をスタートしたときに、深刻な方は相談に来ましたが、もっと手前の段階でぽろっとこぼすってことが大事だと思いました。

アロママッサージを入り口として、お母さんたちに来てもらって、その会話の中から、「実は最近イヤイヤ期がひどくって」みたいな話をこぼしてもらえるといいなと思っています。

五十嵐
お母さんたちにとってリラックスしている時だからこそ、本音がポロリみたいな仕組みということですね。

鈴木さん
はい、前後のおしゃべりがすごく大事だと思っています。

 

インタビュー②へ 続く

 

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